【往還集121】12「大川へ 2」

 震災後、ちょうど4カ月目。各地で慰霊の催しもある。梅雨も明けた。今日こそ、大川へ。宮城インターから東部道路へ。この道路が防波堤の役割をはたし、 津波はせき止められた。東側にはまだ瓦礫が散在しているのに、西側は緑鮮やかな稲田が広がる。瓦礫は、ずいぶん片付いたとはいうものの、海水をかぶった田 は休耕を余儀なくされ、荒地化している。それにしても、高速道路の渋滞よ。被災者無料になって、料金所では証明書をいちいち点検する。入口も出口も大渋滞 になってしまった。市町村によっては被災審査をいちいちやっている暇がないため、全町民に許可したところもある。で、とんでもない渋滞が日常化した。やっ と河北インター着。ここから北上川沿いの道をひたすら行く。川幅は広く、水も豊か。河川敷には葦が生い茂り、大空もすぐ真上。心が洗われる牧歌的な風景 だ。だのに、ここが一瞬にして惨状の舞台となってしまった。
(2011年7月11日)