【往還集123】38 岡井隆『わが告白』・2

何の会だったか忘れたが、終了後に同世代数人が集まったとき、岡井さんの最近が話題になった。すでに離婚・結婚をくり返していた。
「女も女だよねえ、自分も捨てられるかもしれないのに惚れ込んだりして。岡井さんのどこにそんなに魅力があるのかねえ」
誰かがいう。
すかさず裕子さん(河野裕子)が「寝顔がとってもかわいいのよ。」といった。寝顔とは怪しげだが、永田夫妻が仁和寺近くに住んでいたとき、岡井さんも泊まっている。そのときのことだ。女性からすれば、えもいわれぬ魅力があるというわけだ。
ところが反面、ある種の女性には、強烈な岡井嫌いが存在する。
自分は2001年に『岡井隆ノート』を路上発行所から刊行した。それを寄贈した一女性から、礼状らしからぬ礼状が届いた。岡井は大嫌いだ、開くもいやだから別の人にあげたーー。
かくまで嫌われるとは、すごいことだと感心してしまった。
(2012年4月29日)