【往還集123】14 賢治さんならーー

 発言者が次々にあるのは「賢治と災害」のテーマへの関心の大きさを物語る。しかしもう時間が迫っている。そこで司会の私のほうで、今日のテーマなら避けることのできない二問を代表して提起する。
 第一。賢治詩には科学用語がいっぱいある、セシウムの類まではないが、現代に生きていたら当然原発にも大きな関心を寄せたはず、それならば原発に対してどういう態度をとっただろうか。
 第二。自己犠牲によって人々を救うブドリの物語を書いた。今回の震災ではいっぱいのブドリが多くの人を救った。一方で「津波てんでんこ」も改めて語られる。賢治さんなら「てんでんこ」をどう考えただろうか。
 どちらにしても、難問。賢治の時代と現在ではさまざまな面で条件が違うからすぐ今におきかえることはできないと、科学分野の加藤さんは慎重。けれど原発に反対したと思うと結論。
もう一点については時間切れになって残念。
(2月19日)