【往還集123】2「大和克子」

 「歌人大和克子儀十二月三十日、九十一歳の長寿を全うし永眠いたしました。」訃報欄にこの文を見つけたのは、3日のこと。今日告別式に行ってきた。
 自分は学生になった年に「短歌人」に入会したが、そのとき宮城県で指導的役割を果たしていたのは大和克子。以来、公私にわたってお世話になった。1921年生まれだから、20代でまともに戦争に巻き込まれる。その体験から新憲法を一貫して支持し、仮名遣いもあえて新仮名を使い通した。「日本歌人」をへて「短歌人」に参加、中心的存在であり続けた。近年は表に出ることがなくなり、親族に尋ねても教えてくれなかった。認知症になり、ホームへ入ったとも聞く。美貌かつ才気煥発だったから、衰えを見せたくなかったにちがいない。
 自分が短歌開始期に出会った人は次々に亡くなっていく。
 「短歌人」の大和類子さん、蒔田さくら子さん、どうか長生きしてください。
(1月5日)