【往還集122】14「福島はかなり危険・続」

 福島県といっても一様ではない。原発による最危険地帯を〈1〉とするなら、以下危険度に応じて〈2〉〜〈5〉と分かれる。〈5〉は危険度がきわめて低く、 避難先となっている地帯だ。〈2〉以上にも自主的な退避者は多く出ているが、さまざまな条件にはばまれて、現地に残らざるをえない人もいる。その人たちは 必死になって除染作業の最中だ。
これら細部事情を考慮せずに「福島はかなり危険」と発言したとき、どんなに良心的であっても結果的には風評の原因となり、現地の人を傷つける。
始末におえないことに、放射能汚染はかなり広い各地に及んでいる。私自身、震災の日々に生活水として大量の雪を使ったから、内部被曝している可能性はある。
しかし生きのびるためには、避けがたい選択だった。被災現地に生きるということは、風評も差別も、そしてなによりも人体実験中であることも覚悟するということだ。
(10月23日)