【往還集121】41 「ジャズフェス」

今秋もやってきたジャズフェス。路上に腰をおろして聞き惚れる人もいっぱいいる。

9月10−11日は、仙台で恒例の音楽祭、「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」。参加バンドは730グループをこえ、ステージも45個所ある。たち まち21回目になった。このイベントは初期から見ているが、最初はひどいグループもいた。ただどんちゃん騒ぎの自己満足派も少なくない。それが年々洗練さ れて、いまでは十分に楽しむことができる。私は、地べたにすわって、見て聴くだけの一ファンだが、音楽を表現手段にする人が羨ましくてしかたがない。こち らの音楽歴はきわめて貧弱、小学の数年間バイオリンを習ったが、才能のないことを自覚して遠ざかった。教師になった当初、同僚三人でバンドを結成、自分は ウクレレを担当したが、ただ楽しむだけで終わった。秋のひととき、全身で楽器を操り、妙なる音色を響かせるいっぱいの老若。こちらが音楽からの落伍者だけ に、どれもが神業にみえてしまう。
(9月11日)