


青葉山トンネルを抜けて、市街地へ。
市街地を抜けて、七郷へ。
やがて南北へと連なる東部道路。
ここをくぐるとき、いつでも胸苦しくなる。風景は一気に変貌、無数の車や船がころがり、解体された家屋の破片が泥にまみれて散乱する。
あれから3年半の歳月。除塩された稲田は黄金色になり、新しい宅地の工事も進む。
しかし人の住めなくなった荒浜地区は、雑草が繁茂するばかりで、廃墟そのもの。
さらに30分走り、仙台港へ。
この地区には大型工場や商業施設がひしめく。どれもが甚大な被害を受け、ガス爆発さえ起きた。
それらの大方が復旧し、震災の痕跡はない。港にも大型船2隻が停泊し、重機が往き来する。
どちらにも同じ時間が降ったはずなのに、町が丸ごと消え失せたところ、復旧して何事もなかったように始動しているところ。このあまりの落差に、体がふらついてくる。
無重力感覚って、こういうのかも。
(2014年9月5日)