報道に接するたびに胸を痛める。それは小・中学生の自裁事件です。
ある日、何の前触れもなく我が子が命を断つ。
保護者はその理由がわからず、いじめや教師の暴言を責めて訴訟さえ起す。
この件については大変発言しにくいのですが、やはり記し留めておきたい。
というのも自分自身が子ども期から成人するまで、とかく自裁願望があり、危ういところで切り抜けてきたという体験を持っているからです。
デリケートな性格の子にとって、生と死の境界は何度でも希薄なときがある。いじめや暴言がきっかけで行動に移す例はあっても、多くはそれ自体が主因ではない。
最も近くにいるはずの親にこそ、そういう子どもの内面は見えないし、子どものほうも100%親にはいわない。
ですから事故が起きたとき保護者は仰天し悲嘆し、もっとも手近な原因捜しをはじめる。「これでは我が子がかわいそうだ」と訴訟さえ起こします。
(2019年9月9日)