横須賀さんのお嬢さんは幼稚園経営に携わっており、「やかまし村」こども園を立ち上げることになった。
それを気仙大工にお願いすることになって、建築関係の事はもとより森林の現状にまで関心を深めていったのです。
上棟式のときの挨拶もつぎのように書き留めています。
「木は植物としてのいのち、木材としてのいのち、という二つのいのちを持っているのです。木は生きものとして、地中に根をはり、幹を立て、空に向かって葉を繁らせ、花を咲かせ、実をならせ、種をつくって子孫を増やしながら木のいのちを生きています。でも、山で生きてきた木はこれからは木材としてのいのちを生きることになるのです。」
樹は伐採されたとき、大地に根を張って生きてきた第1の生を終える、しかし木材として使われるとき第2の生がはじまる。
木材をまえにして尊厳感を覚えるのは、それだったのだと私ははじめて納得しました。
(2019年7月26日)