私は結社に入っていないしどの歌人団体にも所属していない。歌の世界の傍流に位置しているだけですが、それでも多くの方々から歌集をいただき恐縮します。
刊行費用がいかほどかよくわかるので、可能なかぎり丁寧に目を通し、依頼があれば書評も書いてきました。
未知の方のは、まず「あとがき」と「略歴」を開きます。
そういうとき「生年」を伏せているのが特に女性に多いと気づきます。
何歳であるかを他人に隠したい気持ちはわかる。公表するかしないかも本人の自由。
しかし短歌の場合どういう時代に生まれ、成育したかは読解のためのヒントになることが多い。
作品と年齢は関係ないという立場もないわけではないが、短歌はその一般論が必ずしも当てはまらない。
それ以前に「隠す」という魂胆が、最近特にひっかかるのです。
というわけで、生年のない歌集の書評はやらないという原則を立てることにしました。
(2019年7月1日)