【往還集145】15 必死に

一昔の大学病院といえば、診察を待つだけで2時間強、薬の処方を待つだけで1時間強かかるといわれました。
今は予約さえしておけば20分前後待つだけ。しかも医師も看護師も、とても親切です。
検査や診察が終了すると会計をするため、ホールに戻ります。各科に散らばっていた人たちもそこに集合します。
その時、毛糸帽をかぶった人、車いすの人、点滴のままの人などさまざまな姿を見ることになります。
会計の窓口の私のまえには若いママが。2歳ぐらいの子をつれ、胸には乳児を抱っこしています。その乳児は口以外の顔面が透明のコルセット状のものですっかり覆われていました。
大勢の人が、生きよう、生かそうとして必死なのだ、それが病院という所なのだと胸がいっぱいになりました。
「このトシで通院39回とはきついけれど、自分も皆さんの仲間に入って挑戦してみようではないか」とはじめて思いました。
(2019年6月19日)