平成から令和へ移るというので、新聞もテレビもまた出版物も「これでもかこれでもか」といわんばかりに特集を組んだ。
何だか、ひどく迷惑な感じでした。
NHKBSの「平成万葉集」もそういうなかの1つ。
これまた同じかと覚悟して見はじめましたが、なかなかの力作でした。
第1回「ふるさと」(4月17日放映)、
第2回「女と男」(4月24日)、
第3回「この国に生きる」(5月1日)。
いずれの場合もまともに現代短歌だけで勝負している。
選歌についてはさまざま不満があるにしても、ディレクターの力技がよく伝わってくる。朗読の生田斗真・吉岡里帆の自然な感じもよかった。
ただ1点違和感が消えなかったのは、朗読者が冊子でなく、タブレットを使いつづけたこと。
今や身辺によくある機器だからまあいいかとも思いますが、特に短歌や古典の朗読には、長方形の冷たい機器はどうも不似合いという気がします。
(2019年5月12日)