世のなかはどんどん変化する。世代も感覚も数年単位で変化する。
高校教師だった私は生徒の激変ぶりに直面してきました。
そういうなかで自分に決めていった原則は
「どんな変化にも拒絶感を持たない」
ということでした。
拒絶したとたん、怪しげな〈新人類〉に見え、自分の判断基準を正当だと思いこんで排除しようとする。
そういう対立構造に陥ったとたん、新世代の引っ提げてきたのはなにか、どういう背景があって持ちこんできたのかを、とらえられなくなる。
以上のことは短歌分野でも同じこと。10代、20代、30代が想定外の変化球で勝負してくる。それらが年代を重ねたものには歌の本質・歴史からはずれた逸脱行為に見える。
私にもはじめは同じように見えました。けれど拒絶感を持たないという原則に立ち返ったとき〈そのように表現せざるをえない必然〉が感じられ、ときには切なさすら湧いてきます。
(2019年4月26日)