【往還集144】16 微妙な境界・続

以来、注射と薬によるホルモン療法に入りました。
1年たって再びMRI検査を受けたら、がんの影は消えていました。
つまり効果があったのです。
しかしそれで完全卒業というわけではない、がんは冬眠しているだけだから、この際放射線とか手術で消し去る手があるというのです。
ここに至るまでの医師との対話は、われながら興味深いものでした。

「1昔まえは75歳あたりは治療するかしないかの微妙な境目でした。治療をしないで自然にまかせていても、がん化しないこともあります。

(事実私の父親は高齢で見つかりましたが、放置しておいて96歳で老衰死)。
「ただ佐藤さんは足腰もしっかりしていますから、このまま放っておくというのも┅┅。治療するにしてもしないにしてもリスクは伴いますから、自分のライフスタイルに合わせて考えてみてはどうでしょうか。

この「ライフスタイル」1語に、キョトンとしたのです。
(2019年1月22日)