あと数カ月で新元号が発表されます(「路上」144号刊行のころは公表されているはず)。
これに関連してあちこちで「平成特集」が組まれていますが、そもそも時代や文化の動向と元号には相関関係がない。
ですから依頼されるほうはとまどいの連続です。
このことは『短歌』の「歌壇時評
を担当したときも書きました(2018年6月号)。
江戸時代以後の元号は明治・大正・昭和ですが、どれをとっても1つのイメージではくくれない。
だのに「明治は遠くなりにけり」と過去としてふり返る位置に立つと、自分の主義主張または関心事に合わせて部分的につまみ食いしはじめる。
最近も「明治の日を作ろう」の提案が出てきた。国家形成に焦点を当て、近代日本の原点と考えたがっている。
さらに「昭和は素朴で懐かしさのある時代」という発言まで出はじめた。戦争時代を、意図的にはずそうとしているのです。
(2019年1月12日)