私は20代の一時、「短歌人」に入っていました。
学生になって本格的に短歌をはじめようとしたとき、学内には短歌会がありましたがその作風はアララギ調で、こちらの嗜好とは合わないものでした。
もっと革新的で自由で、しかも学割があるのはどれかと探したら「短歌人」が見つかりました。
そこで入会。
結社には歌会があります。旅行もかねた合宿歌会もあります。
私も何回か参加しました。
が、しだいにズレを覚えるようになりました。
「この熱心に議論している人たち、歌を考え、歌をめざしているのだ」。結社だからあたりまえのこと。
だのに自分の思いとはどこかちがう。
私も歌をやろうとしていることにはまちがない、けれど歌の上達をめざしているというよりは、歌をきわめることによって世界文学とか世界思想への通路を探そうとしている。
そのいわくいいがたい発想のズレがあることを自覚するようになりました。
(2018年11月29日)