居合道というのがあります。
藁人形をばっさり切る居合抜きとはちがいます。
居合道とは、武士の時代、刀の使い方を型として洗練させていったものです。
私はかねてより、日本刀に魅かれてきました。1点の曇りもない、純潔の極地としての輝き。
居合道入門の機会が訪れたのは、仙商勤務の30代のときでした。指導してくれる同僚がいたのです。
念願の真剣も手に入れました。
鞘からサッと抜き放ち立ち居をすると、真冬の冷え切った講堂でも汗ばんできます。
2段まで昇進したところで別の学校に転勤して離れてしまいましたが、今でも折々手入れをします。
ところで世の中、急に日本刀ブームというではありませんか。
刀剣展があると、長い行列ができる。
しかも8割が女性で、展示されている真剣をまえに、涙まで浮かべています。
ブームにはほとんど踊らされないたちの自分、この現象をどう解くべきか思案中です。
(2018年11月1日)