【往還集143】43 「アンバサダー」

カタカナ語を使うのは、ある程度しかたがない。日本語にはない概念もあるから。
しかし、むやみやたらにカタカナ語を使って新しがり、得意がる人もいる。「こんなコトバもわからないのか」とさげすんでいる顔が見えるーーとこちらは被害妄想的になる。
私はカタカナ語の使用は最小限にとどめようと心がけてきました。
最近特に、どうにもこうにもイヤな気持ちになったのは「アンバサダー」。大使、使節の意味だとカタカナ語辞典を調べてわかったのですが、なぜわざわざ曲芸じみた語を使わなければならないのか、私には納得できない。 
と、ここで思い浮かべるのは岡崎康行氏の『良寛の歌私稿 母の海』(短歌新聞社)です。彼はこの本を書くにあたって、外来語やカタカナ語をできるだけ使わないという方針を立て、実行しました。
それでなにか不足が生じたか?
とんでもない、良寛論としても出色の1冊となりました。
(2018年10月21日)