短歌の話題は「歌の遠近術」でやるので、「往還集」からははずすことにしています。
といっていながら『短歌』10月号の「吟行歌会」を開くうちに、おもしろいことに気付いたので書きます。
参加者は三枝浩樹・春日いづみ・内藤明・梅内美華子・大松達知・嵯峨直樹・佐佐木定綱の7名で、奥多摩の澤乃井に出かけたのです。
その模様を何枚かの写真が伝えていますが、三枝・春日・梅内は手帳に筆記している。内藤はほぼ手ぶら。大松・嵯峨・佐佐木は片手でスマホを操作。
そうか、梅内を境に筆記手段が変わっているのだと〈発見〉しました。
だからってなに?と問われてもすぐにいい答は出てきませんが、メモも歌作もスマホの時代がとうにはじまり、年々ふえるのはまちがいありません。
そう思うからでしょうか、筆記派の姿がどこかなつかしく、いじらしい、そして全身で書いているって感じがしてくるのです。
(2018年9月26日)