【往還集143】35 老人問題

がんの5年生存率が65.8%、部位によっては98・4%と報じられたのは9月12日、今日14日には100歳以上の超高齢者が6万9785人と報じられました。
20年まえならこの達成を手放しで喜べだのに、今は複雑な心境です。
栄養改善、医療技術が進展すれば寿命がのびるのは当然。

「老人問題は、老人の問題ではなく、人間そのものについての問題であり、社会問題であり、政治問題であり、人類史の問題であり、そして科学そのものの問題であり、更に精神医学の再変革につなげる大問題である。」

とすでに予告したのは、精神科医島成郎です。この点は「路上」141号の「佐藤幹夫『評伝島成郎』読了まで」でもとりあげました。 
かく予告をした島が、そうそうにあの世へ往ってしまったのはなんだかズルイ!
残された者は「これからの長寿にどう向かうべきか」という、人類初の難問に直面せざるをえません。
(2018年9月14日)