「彼らは状況の推移を注意深く観察し、より強力にみえる側とは妥協し、より弱そうにみえる側には攻撃を加えて、自己の勢力を拡張し、要するに、強きを援けて弱きを挫くことを、処世の原則としていたようにみえる。」
これは、目下の与党状況を語ったのではない。
加藤周一が「新井白石の世界」で、白石の『藩翰譜』を解説している1文、つまり戦国大名の実態の指摘です。
だのに、なんと目下の与党と酷似していることでしょう。
つい先日の党首指名選挙では地方票が接戦だったのに、議員内では圧勝。
なかには3選への批判もあるはず。今の内閣のやり方、あまりにひどいと影口を叩く党員だって少なくないーーはず。
だのにいざとなれば保身を優先させて、反旗をひるがえしたりしない。
そればかりか強い方へすりすりする。
ということは君臨者が落ち目と見れば、さーっと離れることまちがいない。
君臨と崩落は紙一重です。
(2018年9月27日)