【往還集143】23 古代アンデス文明展

仙台市博物館で開催中の「古代アンデス文明展」を見てきました。
南米大陸を貫くアンデス山脈に沿った地域に、独特の文化が生まれたという輪郭は知っていましたが、詳しいわけではない。
数年前に和辻哲郎の大著『鎖国 日本の悲劇』を読んだとき、メキシコやペルーについて言及している個所に強い印象を受けました。 
スペイン人がユカタン半島に上陸し原住民に接する。そのとき「程度の異つた文化民族
が存在していることを発見する。
マヤ文明です。
スペイン人の驚きは一種の恐怖となり、占領を果した後その文明を徹底的に破壊する。 
やがてスペインは強力な武力によってペルーも制圧していく。黄金奪取が大きな目的。 
『鎖国』はその経緯をじつに詳しくとらえています。

「ペルーの征服はヨーロッパ人の植民地史上に於ても最も暗黒な頁として認められてゐる。」

の1文は、こちらの胸もぐさりと突き刺すほどです。
(2018年8月24日)