【往還集143】18 高野長英

小学5年まで前沢に住んでいましたが、母のお供をして縁戚筋のモギさんを訪ねたことがあります。法事かなにかの届け物があったのでしょう。
それにしてもモギとは変な名字。「茂木
と書くのだとあとでわかりました。
母にとっては父、自分にとっては祖父の実家と縁戚関係があるというのです。
家屋は木造の平屋。玄関に出ておばさんも静かな人で、なにやらひっそり暮らしているような感じでした。
帰り道に母は教えてくれたのです、茂木さんは高野長英のお母さんの実家で、長英が江戸から逃げて来たときかくまったことがある、それ以来罪人を出した家として人目をはばかるように生活してきたのだと。
6年生になって水沢に転居しました。そのとき「水沢は3偉人を生んだ町」と誇っているのを知りました。
高野長英、後藤新平、斎藤実。
国賊として逃亡する身の高野長英も、ふるさとでは偉人になっていたのです。
(2018年8月11日)