【往還集143】9 草花園(くさばなえん)

庭に咲いている夏の花。ヒルガオやヒャクニチソウ。
オニユリやアレチノギク

去年の秋、木の剪定をしたのがきっかけで右肩を傷め、しばらく整形に通いましたが、カラッと治ってくれない。
庭の除草からも手をぬいているうちに、草たちはこれ幸いと伸び放題。
ところが花が咲きはじめたら、どれもこれもが美しく、〈雑草〉などといっては失礼千万。 
このまま、自然の草花園にしようではありませんか。
私が最後に勤めた高校には、月1回の全校をあげての除草時間がありました。放課後の40分程、教師も生徒も一斉に周辺の草取りをする、それはなかなかいいものでした。
ところが1人の男子生徒がそばに寄ってきて

「先生、草だって命があるのになんでとらなきゃならないのですか、かわいそうです」

と問い詰める。
冗談のようでいて、冗談でない。普段から真面目な生徒です。

「それをいいはじめたら肉だって食えなくなるし人間は亡びるほかない」

と、しどろもどろに応えるほかありませんでした。
(2018年7月23日)