仙台に尾花仙朔という詩人がいる、と思うだけで私には励ましになってきました。
詩の世界で尾花氏がどういう評価を受けてきたのかはわからない。大衆受けする人でも、マスコミ受けする人でもなかった。むしろ人前でもてはやされることをきらい、孤立した場で詩句を磨き上げ、品格を失わず、それでいて人間世界の歪に対する抵抗精神を貫いてきた。
早くに奥さんもご長男も亡くされ、本人も病気をかかえるようになったため、いよいよお会いする機会もまれになりました。
去年の8月7日晩翠顕彰会役員会があり、そのときにお会いし、少時ながら「路上」へのことばをいただきました。
彼は長い間の「路上」の読者でもありました。
逝去を知ったのは、今朝の訃報記事においてです。
5月22日肺炎のため91歳で死去。
私生活を語ることも好まない彼でしたから、少数の近親に見守らて、ひっそりと逝ったのでしょう。
(2018年7月12日)