【往還集143】3 教師も間違う

「河北新報」には長期連載の「止まった 検証・大川小事故」があります。
大川小問題の訴訟は、目下最高裁へ移っている段階。訴訟であるかぎりいずれ白黒が決められる。マスコミもまた大いに反応する。 
けれど白黒の決着は、ずいぶん多くのものをとりこぼすものです。
この連載のすぐれているのは、その多くにまで視野を広げ、多角的に検証しようとしているところです。
今日の6月6日付にとりあげられているのは、南海トラフ巨大地震の対策を練る高知県黒潮町について。
小学校の防災公開授業を取材した記者が、終了後に先生に話を聞く。

「教師も間違う。最終的には自分で判断し、命を守れる力を付けてあげたい」

と応える。
私はこの一言に、やっと学校も教師も〈本当〉のことをいい、マスコミもとりあげるまでになったのだと感銘を覚えました。
この点については、「路上」前号の「倒木を描きながら」にも書きました。
(2018年6月6日)