【往還集142】20 群生するエニシダ

廃墟のあとに咲く金色のエニシダ。
荒浜小学校屋上から。

朝から快晴。
青葉山トンネルを抜け、市街地を通り、七郷へ。
コンビニで飲み物を買い、あとは海へまっしぐら。
墓碑に額づいたのち、防潮堤に立ち一面の海に向かう。
こういうことを何度くり返してきたことでしょうか。
震災遺構となった荒浜小学校にも立ち寄る。大人のグループが30人、それに大型バス2台でやってきた中学生の団体が。プレートを見れば室蘭の中学。
そうなのだ、ここは大災害をふり返る過去の場所となったのだ、当時の痕跡はあちこちにあるものの、ことばを発することのない遺構なのだ。
屋上から眺望できる周辺も、土台石はなお散乱しているものの住人の気配はない。
校舎を巡ったあと外に出、旧住宅地を歩き回りました。
そのとき目に飛びこんできたのは、金色のエニシダの群生です。去年も少しはありましたがこれほどでなかった、7年の間、種を蒔き散らし合い、仲間を増やし合ってきたのです。         
(2018年5月22日)