短歌結社誌「塔」といえば、その質量において歌界では1、2位を争う。
その5月号「編集後記」に目を瞠ったのです。書いたのは編集長松村正直氏。
「何度も書いていることだが、会費納入状況が非常に悪くて頭を悩ませている。千百名の会員のうち、締切までに支払わない人が毎回百名以上にのぼる。督促葉書が来てから振り込むのではなく、必ず締切までに納めるようにして下さい。」
これはもちろん、結社内部への発言。
とはいっても外部のものにも注目され、へえ、「塔」もまたこんなことになっていたのかと結社経営の厳しさに立ち止まるのです。千百名のうち未支払が100名以上とは多い。
けれどこの実態は「塔」にかぎったことでなく、他結社、他分野でも同じことです。実態はさらにひどいはず。
現にこうして会員数が減少し、閉鎖に追いこまれた結社誌は近年続出しています。背景にはどんなことがあるのでしょうか。
(2018年5月17日)