【往還集141】29 完全な者

早暁に親鸞の『教行信証』を少しずつ書写、昼にパスカル『パンセ』を少しずつ読書という生活をしています。
信仰の面からしたらめちゃくちゃですが、そもそも私は特定の宗教を信仰していない。 
信仰のチャンスを失ったまま、今日まできた。
それなのに宗教書に関心があるのは、その時代を起点とした哲学があり、ときには時代を超えた普遍性もあるからです。
同時に宗教書であるがゆえに自分の入りこむ余地のないところ、どうしても理解できないところもあります。
『パンセ』は、1966年に新教出版社発行、田辺保訳というずい分旧いのを読んでいますが、たとえば

「真の宗教は、人間を幸福にするために、唯一の神が存在することを示してくれるものでなければならない。」
「キリスト教のほかに、これらの点を満足させてくれるような宗教があるかどうかを考えてみよう。」

というようなところで私はつまずいてしまいます。       
(2018年4月14日)