【往還集141】23 「素心」

アスリートといえば、とかく勝ちにこだわる獰猛なイメージがあります。
けれどときに、人柄が並でないアスリートもいます。
自分は、水沢市立常盤中学校出身。
近隣に姉体中学校がありました。
どちらも野球が強く、よく決勝戦で対戦しました。
が、どうしても姉体に勝つことができない。ずばぬけて強い投手がいたから。
高校に入ったら、その投手と同じクラスになりました。
吉田君。
やはりまた野球部で活躍しました。
はたで見る生の彼は、引き締まった体形をしていましたが、獰猛とは正反対の沈着冷静な性格。
2年生以後はべつのクラスになりましが、廊下で会えば軽い挨拶は交わす間柄。
卒業に当って、学友会誌に載せた彼のエッセイの題は「素心」です。
この2字を座右の銘にしてきたと。
いかにも彼らしい。
私は今でも「素心」の語を思い出します。
ちなみに姉体は、目下活躍中の大谷翔平選手の出身地でもあります。
(2018年4月1日)