【往還集141】16 忘却記念日

こんなにストレスがたまったのでは、そのうちバクハツするのでは。
この怖れを抱えながらも立ち止まるわけにはいきませんでした。
ついに耳鳴りが勃発し、つぎに声帯不作動に陥り、そしてPSA急上昇となったわけです。 
1年間ホルモン療法をつづけて、なんとか安定してきた段階ですが、自分のような例は山ほどある。
あれこれの会合で同輩と会うたびに、病の情報交換がはじまります。心臓に異変が見つかった、がんを治療中、心療内科通院中などなど。
震災の犠牲者数、その後の関連死者数については統計がとられていますが、目下進行中の身体不具合者については、手がつけられていない。
さらに原発被害については、時間を経ないとわからない。直接原発で働いていた人たちも、これからこそが案じられます。
だのに、記念式典が終れば、また長い忘却に入る。
放射能コントロールを装うための忘却記念日、それが今日。
(2018年3月11日)