【往還集140】19 まどろみ

前章を書いてから、はや1か月。この間、何事もなく平穏だったかって?
とんでもない、情勢は激動につぐ激動。
いわれなき解散を強行した安倍政権、時をおかず立ち上げられた希望の党、民進党合体の案が急に浮上し、自民政権倒壊の夢を1日だけ見せてくれる、だのに「踏絵」発言をきっかけに民進党は解体。
その他もろもろが短期間にどっと生じ、刺激の強さにこちらはトローンとした状態に陥る。
この間私の読んでいたのは滝川一廣『子どものための精神医学』(医学書院)です。
生れたばかりの赤ちゃんにとって、外界は未知なものばかり、未分化で混沌とした知覚刺激に囲まれ不安定このうえない、

「新生児は生活時間の多くをまどろんで過ごすことで、過剰な刺激から生じる不安や混乱から護られている」

と書いています。
自分が怒りまくる気にもなれず、トローンとなっていたのは、「まどろみ」と同じだと気づいたのでした。
(2017年11月7日)