【往還集140】18 「みちのくYOSAKOI」の日・8

あくまでふだんおとなしい妻は、係員をつかまえて「本部はどこですか」と問う。
自分は本部があるなんて考えもしなかった本部テントは、てんてこ舞いの最中。
それにもめげずに妻は、腕章をした一人をつかまえる。
「落し物をしたのですけど」
「どんな物ですか」
「黒いショルダーバッグです」
「あ、サトウさんですね」
バッグは中身に手をつけられることなく、届けられていた。通りがかりの人が本部に持ってきてくれたのだと。
かくして事は一件落着。日本もまだまだ捨てたものではないと、しみじみつくづく思いました。
帰宅してから、今日をふり返りました。時間の一部がすっぽり抜けていることが、どうにも不思議でならない。頭脳感覚からも身体感覚からも、完全に脱落です。
こういうことは、これから何度となく起きる気がする、認知になったらなおさら。
今日の事は、そのための予行演習だったかもしれません。
(2017年10月8日)