細倉鉱山は宮城県北の奥地にあります。東北本線石越駅で降り、栗原電鉄に乗り換えます。その終点が細倉でした。
駅に立ったとたん風景は一変、鉱山特有の尖った黒山が林立し、あちこちからは蒸気も立っています。
初任校若柳高校にはここから通う生徒が何人もいました。
最初に担任したなかに体の大きな男の子がいた。芳しからぬ素行が重なり、転校を強いられる(実質は退学)ことになりました。その相談に細倉へ家庭訪問しましたが、すでに遠い親戚に送り出された後でした。
退学の話が出たとき、なぜ自分は「もう少し様子を見させてくれ」と懇願しなかったのかと、長い間悔やみました。
同じクラスに桁外れに楽しい子もいました。一番の成績で入学してきてソフト部に入部、体の鍛錬といって深夜の細倉を発ち、夜明けに学校到着。そのまま朝練。それでいて成績はトップクラス。
けれど今日の話題はこの事ではない。
(2017年10月8日)