【往還集140】6 「かっぱ公報」

「あなたはカッパがいると思いますか思いませんか」
といきなり問われたら、一瞬とまどい、
「あれは空想世界のものさ」
とたいていの人は応えるにちがいありません。
ところが存在を疑わず、「かっぱ村」を立ち上げているグループがあるのです。
若柳高校に初任で行ったとき、美術部に多田祐子さんがいました。いまや国際的な洋画家です。
その多田さんが「かっぱ村」の村民で、「かっぱ公報」の編集を担当している。
数年まえから私も読ませていただくようになり、「カッパ」を意識しはじめました。
そうしたら、カッパにまつわる地名やら祭やら温泉やらがつぎつぎと出てくるのです。 
なによりも高校時代の担任が「カッパ」でした(今も健在とのこと)。
そこで「河童一家在此処」(河童一家此処に在り)と大書した垂れ幕を作り、校内行事のあるたびに持ち歩きました。
226号に原稿を依頼されたとき閃いたのはその思い出です。
(2017年9月25日)