【往還集140】2 荒浜にて

「往還集」では荒浜、閖上のことを何度も書いてきました。数年まえまでは月に2度、現在は1度ほど行く私の定点観察地です。
海辺に立つたびに何かが変化している。それは場所だけでなく、自分の心も。
南北に連なる東部道路が大津波を遮った。そこをくぐると景色は一変。ことばを失い、胸も押しつぶされんばかりでした。
海水をかぶった田園も稲作不能になり荒れ放題。
やっと土壌改良が終り黄金の穂波が広がっています。
防潮堤も完成し、砂浜には釣り人が数人。ビーチパラソルもあります。
深沼海水浴場として復活するのも近い。それにともない、なお荒れている海の入り口付近も整備されていくでしょう。
数限りなくあった倒木もただの屑として処分されるにちがいありません。荒々しく切断された断面に魅せられ、撮影し、粗描してきた私にも時間がない。
今日も荒草をかき分けて、画帳に手早く粗描してきました。
(2017年9月19日)