【往還集139】43 「青葉城恋唄」・続

ところが学校の行事というのは、前年度末にほぼ決まるので途中変更はむずかしい。
それなら学年集会のコンサートということにしてと策を練って、さらにH先生に頼みました。
が、親戚ゆえの照れくささでなかなか動いてくれない。
ぐずぐずしているうちに曲は、1放送局の1番組を越えて、仙台へ宮城へと広まり、あれれという間に全国へ。
ついに大晦日の紅白歌合戦に登場することになりました。

「もう忙しくて、とても学校になど呼べない、それにギャラが急に高くなって、とてもとても」

とH先生は、半ば申し訳なさそうに、しかし半ば誇らしそうに弁解するのでした。
というわけで、全国的にはまだ無名の、しかしなかなかの腕の歌手をわずかの謝礼で呼ぼうという私の策は頓挫したのでした。
その「青葉城恋唄」が今年も七夕の街を流れています。ヒット以来、もう40年というのに、褪せることなく爽やかに流れています。
(2017年8月7日)