「いじめ」という用語が、犯罪であることを薄めていると私は思ってきました。
もっとも学校という集団のなかで、加害者と被害者を見分けるのは案外難しい。被害者だと見ていたら加害者に回っている、つまり小集団のなかで入れ替えのゲームをしていることがあるのです。
精神科医の中井久夫氏は『いじめのある世界に生きる君たちへ』(中央公論社)で、見分ける基準は「立場の入れ替え」があるかどうかだと書いている。
中井氏はこの問題を深い所でとらえていると、直感しました。
ホンモノのいじめは
「孤立化」
「無力化」
「透明化」
の三段階を進むともあります。
確かにその通り。
どのようにして抜け出すことができたか、体験をふり返りつつ
「自分がいじめられている時、他人がいじめられているように感じ、いじめられている自分を他人事のように外から眺めるという能力を獲得していたからできた
といっています。
(2017年7月29日)