【往還集139】25 秘密基地

家のすぐ近くにある公園には、学齢まえの幼児たち、放課後の子どもたちが集まります。
その遊びぐあいは、たちまち5、6冊の絵本になるような楽しいものです。
ある日「サトウさん、ボク秘密基地作ったよ
と男の子が教えてくれる。
教えたのでは秘密にならないのだけれどせっかくの〈告白〉だからついていけば、鉄柵を乗り越えた一角に何本もの枝が重ねられている。
「オシッコだってするところがあるんだよ
というから見ればなるほど穴も掘ってある。 
秘密基地は楽しい。
私も小1か2のころ、近所の友達と作りました。
前沢の裏山に御物見公園があり、下は谷間になっている。
その崖に2人で穴を掘り、ビー玉を収めました。岩板で塞いで「ここは、2人だけの秘密だぞ」と堅く誓い合いました。 
数日後、確かめに行ったら跡形もない。
友人が他の人に教えたとあとでわかり、誓いの頼りなさにがっくりきたのでした。
(2017年7月5日)