【往還集139】21 豪華列車

事故以外、とかく話題に乏しい鉄道。
それがこのところ、豪華列車で盛り上がっています。
かつて国鉄には一等車から三等車までありました。三等車しか知らない子どもの私は、特等車を覗きこみ、アメリカ兵とその家族、そして金持ちそうな日本人が乗っているのを見て、自分にはまったく縁がないと思ったものでした。
そのイメージが消えないせいでしょう、新幹線にグランクラスができたときは、イヤーな気分になりました。
ところが今度は、何十万円も料金のかかる豪華列車。
豪華客船のように陸から見えないところを航行するならまだよい。こちらと同じ鉄路を使っているのが気に食わない。
テレビには、子どもまで動員して歓迎する様が放映されている。
その人垣のなかを歩いて行く乗客。
いったいどんな気持ち?
恥ずかしくない?

以上は一族に富豪が一人もおらず、大金と縁のないまま今日に至ったワタクシのひがみです。
(2017年6月14日)