私の母の妹は文子。
その叔母の夫は茂叔父。
ふたりとも岩手県前沢出身で、東京に住んでいました。
自分は男兄弟4人ですが、誰もがこの叔父・叔母には随分世話になってきました。
叔父は31年まえに亡くなり、伯母はこの4月に97歳の天寿を全うしました。
その納骨式に昨日参列してきたのです。
菩提寺は前沢の専念寺。
急坂をあえぎながら登って、やっと墓地に着きます。すると、町並み、田園、北上山脈が、パノラマとなって開けます。
叔父も叔母もここからの眺望が大好きで、いつか此処に帰るのが夢でした。
その夢がかなったわけですが、私にとっても、ふるさとを感じさせてくれる貴重な場所。隣接する歴史の町平泉とはちがって、ごく平凡で、ごく小さな町。
今は、奥州市前沢区となっている。
けれどここに立つたびに、〈ふるさと〉が全身を包んでくれているという気がして、深くふかーく、空気を吸いこむのです。
(2017年6月5日)