子どもたちの遊びには、ちょっと危ないなあと思うのもあります。
けれどすぐにはちょっかいを出さない。
ある日、ケヤキの木に数人がのぼりはじめた、男の子も女の子も。
下りる段になって一番上まで行った男の子が、怖さのあまりべそをかきはじめた。
さてどのように解決するか。
お姉ちゃんがやってきて、自分も途中までのぼる。
冷静にならせたうえで
「下を見ないで、のぼったときのようにゆっくり下りなさい」
と的確にアドバイス。
男の子はぶじに着地しました。
今、山口浩子『無名鬼の妻』(作品社)を読んでいます。
評論家村上一郎の妻を描いた本です。
ある日、父親一郎が、木から下りられなくなった娘真理子に
「マー子、登った時のやり方を反対にやってごらん。こちらからも登って抱っこしてやるからな。下を見るんじゃないよ」
といったと書いている。
時代にかかわらず木から下りるときの助言は同じなのですね。
(2017年5月17日)