【往還集138】39 大和類子さん

大和類子(るいこ)さんは1923年生まれの「短歌人」会員で、仙台在住。
学生時代「短歌人」に入った自分にとって、先輩格です。
当時の「短歌人」は前衛短歌風で、地元の歌界からは危険視されていました。
会員も少なく、歌会といっても3人だけのことも。
以来、自分が結社をやめてからもなにかと交流はつづいていました。
震災時には家屋が相当傷みましたが、何とか修復して住んでいました。
そこに見舞いを兼ねて訪ね、置き所のなくなった「路上」をいただきました。初期「路上」からのほとんどを保存してくれていたのです。
その類子さんが、最近になって交通事故に会い、片目を失ったという歌を発表している。 
そうこうしているうちに「3・11六周忌の今夜は類子さんのお通夜でもあります」という一文が届いた。
にわかに信じがたくいたところ、同じ会の方から類子さん急逝の報が。
もう疑いようがない。
(2017年4月2日)