【往還集138】36 スクーリングの日・続

そんな状態でしたから、日曜日ぐらいはゆっくりしたい。スクーリング担当は、負担このうえなかったのです。
けれど月1回集まってくる人々は、学校という所、教室という所に来ただけで、とても楽しそうなのです。
さまざまな家庭の事情で進学できなかった仲間と、顔を合わせ、時間を過ごすだけなのに。
ふだんの、全日制の生徒たちとはまるでちがう雰囲気でした。
あるとき、30歳も越えようとする人が、「先生、やっと免状がきました」と広げてみせてくれました。
卒業認定書です。
皆は拍手を惜しみません。
もちろん、こちらも一気に清々しい気持ちになりました。
自分はさいわいにも、高校へも大学へも進学できた。
けれど中学を終えるのもやっとの人はいっぱいいた。
そういう人たちに手助けできることがあるなら、休日返上など取るに足りぬと思いながらも、十分なことはできなかった。
その悔いが今ものこっています。
(2017年3月26日)