速読術なる術があります。
人一倍遅読の自分、さっそく試したことがあります。
結果はダメでした。
今でも1冊を読み切るたびに「ふーっ
とも「ほーっ
ともつかぬため息が出ます。
このため息には2つの意味があります。
1つ目は「やっと終わった」の安堵感ですが、2つ目は「こんなにスゴイ文化なのに値段が見合っていないじゃないか」なのです。
ちなみに最近読んだ本を文庫にしぼってあげてみます。
『「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫1500円)
『チェルノブイリの祈り』(岩波現代文庫1040円)
『神曲 煉獄編』(河出文庫950円)
『正法眼蔵随聞記』(ちくま学芸文庫1200円)
文庫本だから安くて当然と思いがちですが内容の密度の点からして世界的文化財といっていい。
だのに値段がラーメン2杯分と同じとは悲しくなるではありませんか。
文化は貧富老若男女を問わず皆のものと思えば納得できるのですが。
(2017年2月19日)