漢文・漢詩と聞いただけで縁遠い感じの先立つ時代です。
それもそのはず、私の高校時代までは週1回漢文の授業がありましたが、以後は廃れる一方です。
漢詩・漢文の教養が衰えたことと、文語力の衰えたことは密接に関連している。
けれどよくよく読めば今にも通じる作品はいっぱいあります。
私は折々『中国名詩選』(岩波文庫ワイド版)を開いては、その世界の豊かさを楽しみ、現代にも通じる新しさに目をみはることがあります。
「書適」もその1つ。
作者陸游(りくゆう)は日本でいえば鎌倉時代の人。
「老翁垂七十/其実似童児」
(老翁七十になんなんとするも/その実童児に似たり)
とうたい出しています。
現代語訳にすると、「この年寄はもはや七十に近いというのに、実際はまるで子どもみたいだ。」となります。
漢詩には厳密な押韻がありますから、書き下し文・通釈では味わいを半減させてしまいますがそこはご勘弁を。
(2017年2月15日)