「第7章 インタビューの仕事」で国谷さんは書いています。
「インタビューでは準備も重要だが、実際のインタビューの場面になったら、いったんその準備で得たものをすべて捨てなくてはならない。」
「準備は徹底的にするが、あらかじめ想定したシナリオは捨てること。」
ここに語られているのはインタビューの場合のみならず、普遍的にいえることだと思います。
準備を重ねることによって、その人についてのイメージが形成される、しかし実体としてのその人はイメージではとらえつくせない多面性があるかもしれない。
それを見逃さないためには、準備をゼロにしてなまの本体に向き合うようにしなければならないーーそういうことをいっている。
事前の準備は勿論大事、けれどそれによっていつの間にか自分の「シナリオ」ができてしまい、相手をわくのなかにはめこもうとする。
こういう危うさはどんな分野にもあります。
(2017年2月6日)