ゾゾとはなにか。
ゾゾは実在しない、けれど実在する。
ゾゾには大きな翼がある、けれどネコぐらいともいえる。
目のまえに現れ、話しかけたり、守ったりしてくれる。
こういうゾゾの登場するのは、岩瀬成子作『マルの背中』(講談社)の世界。
主人公は亜澄(あずみ)。弟に理央(りお)がいる。
父母は離婚し、亜澄は母と暮らしている。
「理央はゾゾのことをよく口にした。ゾゾは大きな翼を持ってる、と言ったこともあった。猫を指差してゾゾみたい、と言ったこともあった。」
こういうゾゾを、子どものころ密かに持ったことありませんか。
私はあります。なんと名づけたか忘れてしまいましたが、たしかに。
岩瀬作品は、最初期からのほとんどを読んできましたが、いつでも
「リアルなまなざし+α」
を感じさせます。
機会あればどうか岩瀬作品を読んでみてください。この分野の最達成点を目の当りにできること、受け合います。
(2017年1月7日)