2016年12月14日
「保育園落ちた日本死ね!!!何なんだよ日本。一億総活躍社会じゃねえかよ。昨日見事に保育園落ちたわ。」
この匿名ブログの率直な口吻が評判を呼びました。
私もまた共鳴を覚えた一人ですが、こういう口汚さは、ほどなく時間の流れのなかで腐食してしまう。
それになによりも「この世で一番の不幸を負っている
という〈自己中〉から抜け出していない。
近刊の佐藤良子歌集『Midnight Sun』に、こんな歌を見つけました。
「泥舟をいつ降りようと勝手だが船は揺らすな みんな沈むぞ」
この泥舟とは何か、具体的に示しているわけではないのですが、仮に「日本」としてみます。
我が国はいかにも泥舟状態。
けれどなお踏ん張っているひとも、抵抗しているひともいる。
そこまで目が届かずに自分の憂慮だけで揺さぶったなら、すべてを巻きこんで沈没させてしまう。
「それはダメ」と戒めている歌では?