【往還集137】20 教訓

2016年11月7日
石巻と宮城県の行政当局は地裁判決に対して控訴する方針を決めました。
遺族側は反発を強め傍目にも痛々しい進行状態になっています。
そもそも訴訟言語にはナイーブな問題を掬いきれない面があります。
部外者の入り込む余地のないところもあります。
ただ私には大川小の投げかけた問題には、人の在りようの根幹に関わる深度があると考えています。
学校と生徒の立場が「守るー守られる
の構造にあったとしても、それ自体が完全に破綻する場合がある、そうなったとき自分のことは自分のやり方で選択しなければならないということです。
震災後、今後に生かすための教訓は随分語られてきましたが、教訓をつきつめれば

「どんな対策も無力になったときどうするか

に行き着く。
自分は自分の存在を賭けてどうふるまうか、それが問われます。
この覚悟を胸に蓄えていくことこそが、最大の教訓だと私には思われます。